「ツマアカスズメバチってどんな蜂なんだろう」
「外来種らしいけど、どのくらい危険なの?」
「どう対策すればいいのかわからない…」
こんにちは!みんなのハチ駆除屋さんのスタッフ・日向です。
ここ数年の間に日本に侵入してきた、ツマアカスズメバチについて詳しくお伝えします。
ツマアカスズメバチは2012年に対馬に侵入したとされている外来種のスズメバチ。
生態系の破壊などの危険性が叫ばれ、現在国では根絶を目指して防除計画を進行しているところです。
ただ「どんな生態なのか?」「結局自分はどう対策すればいいのか?」がまだまだわからず、疑問も多いですよね。
この記事では、ツマアカスズメバチについて次の3つをお伝えします。
この記事が、あなたの疑問・不安の解決に役立てば幸いです。
では、ツマアカスズメバチの生態から確認していきましょう!
※「すでに蜂の巣が作られている」「何の蜂かわからなくて怖い」という方は、みんなのハチ駆除屋さんへご相談ください。
経験豊富なハチ駆除のプロが、すばやく安全に対処いたします!
蜂は益虫とされていますが、ツマアカスズメバチは国が防除を必要としている蜂です。
このあとツマアカスズメバチの特徴を詳しくお伝えするので、もし当てはまる蜂を見かけた場合はすぐにお住まいの地域の役所や保健福祉環境事務所へ連絡しましょう。
たとえば福岡県久留米市では、以下のように情報提供の協力を呼びかけています。
生息状況について、国・県・研究機関・関係機関等と連携し、現状把握に努めます。
「見たことがある」
「これってもしかしてそうかも」
と心当たりのある方、生息情報をご存知の方は、「種類、目撃地点、目撃日時、鮮明な写真(あれば)、氏名、連絡先」を明記の上、「[email protected]」にご連絡ください。
引用:久留米市:特定外来生物「ツマアカスズメバチ」の防除にご協力をお願いします
また山口県山口市でも早期発見のために情報提供を求めていますね。山口県では、2019年に防府市にて営巣が確認されていました。
早期発見、早期駆除のため、ツマアカスズメバチと疑われる個体や巣を確認された場合は、目撃した日時・場所・状況(できれば写真)を下記または中国四国地方環境事務所(電話番号086-223-1561)まで御連絡いただき、情報提供に御協力のほどよろしくお願いします。
引用:特定外来生物ツマアカスズメバチに御注意ください - 山口市ウェブサイト
「ただのスズメバチなのにそこまでする?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし相手は危険な外来種。このあと詳しくお伝えしますが、ツマアカスズメバチは繁殖能力が高いとされるため、日本全体にあっというまに拡大する懸念があるんです。
環境省からは、私たちのような駆除業者へも「ツマアカスズメバチと思われるものが捕獲された場合には、管轄区域の環境省地方環境事務所にご連絡下さい」との要請が出されています。
もしツマアカスズメバチを見かけたら、情報提供のご協力と駆除の依頼をお願いいたします。
ではツマアカスズメバチの基本情報から解説していきます。
写真:環境省提供 |
|
和名 | ツマアカスズメバチ (英名:Asian yellow-legged hornet) |
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学名 | Vespa velutina Lepeletier |
分類 | ハチ目スズメバチ科スズメバチ属 |
原産 | インドネシアジャワ島 |
分布 | 東南アジア、インド、パキスタン、中国、台湾などに11亜種が分布(※亜種:同じ種で地理的な差異があるもの) その他ヨーロッパに分布 |
大きさ | 女王蜂:約30mm 働き蜂:約20mm |
ツマアカスズメバチは、フランスやドイツ、インドや中国などヨーロッパやアジア諸国に分布。体は全体的に黒っぽく、お尻の先の方にかけて赤褐色をしています。
「ツマアカスズメバチ」の名前は、体の先端が赤みを帯びていることから名付けられたのだとか。
日本では2012年に対馬に侵入しました。日本在来種のスズメバチに比べるとやや小型ではあるものの、その攻撃性は油断できません。
ツマアカスズメバチは適応能力が高く、生息域を急速に拡大します。
おもに森林や田園地域に生息しますが、都市部での生息も容易です。
生息地域が多岐にわたることから繁殖スピードも早く、2000年代ヨーロッパでも急速に生息域が拡大しました。
ヨーロッパでは2005年にフランス南西部のみで確認されていましたが、その後生息域を拡大し、2012年にはスペイン、ポルトガル、ドイツ、ベルギーでも確認されています。
陸続きの土地が繁栄を後押ししたこと、ヨーロッパ在来のスズメバチは小型種が中心で競合相手が少なかったこと…などさまざまな要因が考えられるものの、その適応能力の高さは侮れません。
また現在、韓国では在来種を上回る数のツマアカスズメバチが生息しているとのこと。
日本でも1年のうちに対馬全域に定着するなど、急速に生息域を拡大しています。
ツマアカスズメバチは、刺激を加えるものに対して執拗に攻撃します。
在来種のスズメバチに比べて、とくに毒性が強いといった特徴はありません。
ただ、個体によっては巣に近づいただけで攻撃体勢になることも珍しくなく、攻撃性自体はかなり高いです。
わたしはかつて台湾とスマトラでこのハチの攻撃を受けたことがあるが、追撃された距離は約二〇〇メートルに達した。その執ようさとすさまじさ、それに刺されたあとの痛みはオオスズメバチをもはるかにしのぐものであった。
引用:松浦誠『スズメバチはなぜ刺すか』p.23
この「執拗に追跡する」習性はかなり厄介で、一度攻撃対象となってしまうと大変危険です…。
もし見かけたとしても、絶対に近づいてはいけません。
食性は雑食で、ハエやトンボ、ミツバチを捕食します。
ツマアカスズメバチの被害はこのあと詳しく解説しますが、昆虫を捕食することから生態系への影響も懸念されているんです。
攻撃性の高いツマアカスズメバチですが、もちろん天敵も存在します。
スズメバチを捕食する熊やハチクマ(鷹の一種)、体内に寄生する寄生虫、そして私たち人間などなど。
ただしツマアカスズメバチを根絶できるほど強力な敵ではないことは確かです。
また、よく「オオスズメバチとツマアカスズメバチはどっちが強い?」といった疑問も耳にします。
毒の強さや威力で言えばオオスズメバチが上回る可能性が高いものの、生息域の拡大や種の繁栄といった適応能力の面で言えばツマアカスズメバチに軍配が上がるかもしれません。
ツマアカスズメバチの巣は縦に長く、しずく型のような形状をしています。
初期の巣は地中や茂みの中に作られますが、群れが増えると高所(木やビルの壁)に移動するケースが多いです。
場合によっては、地上20mもの場所に巣を作ることも…!
巣の大きさは50~70cmほどで、スズメバチの中でも最大級とされるキイロスズメバチの巣に並びます。
ピーク時の働き蜂の数は数千匹になるなど、大変危険性が高いです。
巣の形状や営巣場所がよくわかる動画を見つけました。
ツマアカスズメバチの巣がどこにどのように作られているのか、巣の中はどうなっているのか気になる方はご覧くださいね。
※巣の内部の描写があるため、苦手な方はご注意ください。
ツマアカスズメバチの原産国はインドネシアのジャワ島。
その後貿易などの影響でヨーロッパ・アジアに生息域が拡大し、日本にも侵入が確認されました。
ここでは、ツマアカスズメバチの日本への侵入経過を解説します。
ツマアカスズメバチは、2012年にはじめて日本国内へ侵入しました。
その後、環境省に「特定外来生物」として指定されています。
ちなみに「特定外来生物」とは、外来生物のうち人の生命や農林水産業に被害を及ぼすものに対して指定されるものです。
2013年 | 長崎県対馬にて生息を確認。2012年には侵入していたとされる。(※) |
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2015年 | 環境省より特定外来生物に指定。 福岡県北九州市で営巣を確認。 |
2016年 | 宮崎県日南市で確認。 |
2018年 | 大分県大分市で確認。 |
2019年 | 山口県防府市の街路樹にて営巣を確認。本州にて初確認。 |
(※参考:「ツマアカスズメバチ」国立環境研究所侵入生物データベース)
ツマアカスズメバチは対馬でのみ定着。九州にて発見区域が拡大し、2019年には本州でも発見されています。
2021年3月現在の、ツマアカスズメバチが発見された場所は次の画像の通りです。※随時更新
なお、本州で初確認された山口県防府市では新たな個体は発見されていないとのこと。
その他の県でも引き続きモニタリング調査が実施されており、定着しているか否かが調査されているところです。
ツマアカスズメバチは繁殖力が高く、生息域の拡大スピードが早い点も特徴的です。
韓国では中国から侵入した種が爆発的に繁殖し、都市部でもっとも刺傷被害の多い蜂になっているのだとか。
今後さらに拡大するのを食い止めるため、国では本格的に駆逐するための防除計画が進められているところです。(参考:「ツマアカスズメバチ防除計画」九州地方環境事務所)
計画の方針としては、おもに次の3点に分かれます。
「結局、日本で防除はできるのか?」といった議論がなされることもありますが、計画は長い目で見ていく必要がありそうです。
巣を発見した場合はお住まいの地域の役所へご連絡ください。
アシナガバチ、ミツバチ、また初期のスズメバチの巣はしっかり準備すれば一般の方でも駆除は可能。
しかしツマアカスズメバチはご自身での対処は避け、役所や駆除業者へ対応をお任せしましょう。大変危険である上に、生息地域の記録が必要になるためです。
ツマアカスズメバチは私たち人間に被害を及ぼすだけではなく、生態系への深刻な悪影響も引き起こすとされています。
ツマアカスズメバチが及ぼす被害として、他の蜂同様に私たち人間への刺傷被害が挙げられます。
ツマアカスズメバチはおもに森林や田園地域に生息して高い木の枝に巣を作るものの、都市部での活動も容易です。
2019年に山口県内の街路樹にて営巣が確認されていたこともあり、都市部の樹木や高層マンションの壁面などに巣を作る可能性も示唆されています。
今後私たち人間の生活圏に侵入することが多くなれば、より刺されるリスクも高くなってしまうんです…。
他のスズメバチに比べて毒性が強い訳ではないものの、刺された方の体質によっては健康状態に異変が生じることもあります。
他の蜂と同様、近づかないこと・刺激しないことを徹底しましょう。
※「近くに巣があるけど、何バチかわからなくて怖い…」そのような場合は、みんなのハチ駆除屋さんにお気軽にご相談くださいね。
最短30分で、ハチ駆除のプロが現地調査にお伺いいたします。
ツマアカスズメバチの被害としては、生態系の破壊を引き起こす可能性も挙げられます。
ツマアカスズメバチは、先ほども紹介したようにハエやトンボ、ミツバチなどをエサとする蜂です。
とくにミツバチの捕食によって、養蜂業への大きな被害が発生。
最初にツマアカスズメバチが発見された対馬では、養蜂業者から「巣箱が全滅させられた」との被害報告が出ています。
ミツバチの捕食により蜂蜜の生産に悪影響が出ているほか、ミツバチによる受粉で実をつけていた野菜・果物が不作になる被害も発生しているようです。
また、「対馬ではツマアカスズメバチより大型の種がいなかったために、本種が生態系の頂点になってしまった」との説も。
つまり、ツマアカスズメバチの「敵」が存在しなかったため、あらゆる昆虫を食い荒らし生態系に影響が出る恐れがあるというわけです…。
これは対馬だけに限ったことではなく、他の地域であっても大いに懸念される問題です。
ミツバチをはじめとした昆虫の捕食、すでに日本に定着しているスズメバチとの競合…。
これらが日本全国で拡大すれば、生態系の崩壊も遠い未来の話ではありません。
農作物の不作によって、経済的な損失が生まれる可能性も十分に考えられます。
では、このような被害を引き起こさないためにはどう対策すればいいのでしょうか。
ツマアカスズメバチの対策は、現在国が計画的に進めている段階です。
私たちは、自身やご家族が被害にあわないための対策を行い、国の対策を支援する必要があります。
ツマアカスズメバチの防除は、到底一般の方が対処できるものではありません。
「駆逐のため、より大型の蜂を放せばいいのではないか…」といった声も挙がっているようですが、現実的ではなく大変危険です。
ツマアカスズメバチの根絶は今すぐ達成できるものではありませんが、これ以上の拡大を防ぐためにも、見つけたらすぐ役所へ連絡を入れるようにしてください。
もしツマアカスズメバチではなかった場合でも、役所が駆除対応してくれるケースもあります。
もし役所が駆除対応を行っていない場合は、私たちみんなのハチ駆除屋さんにご相談ください。
専門知識と経験豊富な作業員が、どんな蜂の巣でも安全に駆除します!
最後までお読みいただきありがとうございます!
ツマアカスズメバチについて、知りたい情報は得られたでしょうか。
ツマアカスズメバチは2012年に日本に侵入した外来種で、とても攻撃性の高い蜂です。
生態系の破壊が懸念されていることもあり、発見次第すぐに駆除し、繁殖の拡大を防ぐ必要があります。
万が一ツマアカスズメバチの巣を発見した場合は、お住まいの地域の役所へご相談ください。
また、刺される被害にあわないためにも、巣には近づかないこと・刺激しないことを徹底しましょう。
ここまでは、みんなのハチ駆除屋さんの日向がお届けしました。
蜂に関してお困りごとがあれば、私たちにご相談くださいね。
あなたの疑問・不安が解決されること、安全にお過ごしいただけることを願っております!
この記事を監修したハチ退治の専門家
日向 準(ひむかい じゅん)
ツマアカスズメバチは日本での刺傷事例は少ないものの、世界各国では刺されたことによる死亡例も多数あるようです。
この種に限らずとも、巣を見つけたら早めに対処すること・むやみに近づかないことを念頭に置いておきましょう。
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